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iBeaconを使ったO2O支援アプリの実力

iBeaconを使ったO2O支援アプリの実力

スマートフォン


O2O(Online to Offline)とは、オンライン(インターネット)の情報がオフライン(実店舗)の購買活動に影響を与えたり、オンラインからオフラインへの行動を促したりする施策のことで、アメリカでは2010年頃からさかんに使われるようになった言葉である。もっとも、考え方自体は新しいものではなく、インターネット黎明期に話題になった「クリック・アンド・モルタル」の概念を進化させたものと表現できる。言うまでもなく、O2Oが近年急速に注目され始めたのは、スマートフォンの普及によるところが大きい。

 昨年から今年にかけて、O2Oを支援するアプリやサービスが続々登場している。その大きな理由の一つが、2013年9月にAppleがリリースしたiOSの最新バージョン「iOS7」に、近距離無線技術「iBeacon」が標準搭載されたことである。iBeaconは、Bluetooth Low Energy(BLE)をベースとした技術で、Beaconモジュールが発信する電波の受信領域に出入りすると、iBeacon対応アプリにプッシュ情報を配信できる点が特徴だ。

 以前から、来店するとポイントがもらえるO2Oアプリは存在したが、来店しただけではポイントは付与されず、利用者がアプリを起動してチェックインする必要があった。しかし、iBeacon対応アプリの場合、電波を認識した時点でアプリが自動的に起動して、来店ポイントを付与すると同時に、本日開催中のセールなどの情報をアプリにプッシュ配信できる。また、iBeaconは、端末までの距離を段階ごとに区別できるので、特定の売り場に近づけば、その売り場に展示されている商品の情報を配信するなど、利用者の店内の動線に合わせて細かく情報を配信することも可能になった。Beaconモジュールは非常に小型で安価であり、店内はもちろん、屋外のポスターやのぼりなどにも簡単に設置できる点も非常に魅力的である。

 アメリカでは、老舗百貨店Macy’sがいち早くO2OアプリをiBeaconに対応させた。Macy’sといえば、実店舗を持つ小売業者がオンラインとオフラインのあらゆる販売チャネルを統合して、顧客が望む形で購買体験を提供する戦略「オムニチャネル」を提唱した企業として有名である。そのMacy’sが、従来のアプリをiBeaconに素早く対応させたことからも、iBeaconのインパクトの大きさがわかる。

 日本でも、「セカイカメラ」の開発で知られるtab(旧・頓知ドット)がリリースした街の情報をクリップできるアプリ「tab」や、提携ショップに来店するとポイントがたまる「スマポ」など、すでに多くのアプリやサービスに導入されている。NTTドコモが提供するO2Oサービス「ショッぷらっと」では、近距離の位置を把握する技術として音波が採用されているが、2014年5月にはiBeaconにも試験的に対応させている。iBeaconが主流になるかどうかはまだ不透明であるが、今後もiBeaconを使った新しいアプリやサービスが登場することは確実だろう。どのような画期的なサービスが登場するか、楽しみである。

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